リンゼイ・グーリン
グーリン Lindsay Gulin
生年月日:1976年11月22日
投打 :左投げ左打ち
身長/体重:188cm/79kg
ポジション:投手
出身 :アメリカ
ドラフト:なし
経歴 :イサカ高校-メッツ-マリナーズ-独立リーグ・セインツ-カブス-ドジャース-福岡ダイエーホークス・ソフトバンクホークス(2004~2005)
持ち球 :ストレート、カーブ、チェンジアップ
※Wはウエスタンリーグ(二軍)成績
選手概要
上記に挙げた経歴はすべてマイナーでのもので、メジャー登板経験はなし。ソフトバンク退団後の2010年には台湾・興農ブルズにも在籍した。
2004年入団当初はリリーフとしての活躍を期待されていたが、シーズンでの登板は全て先発。8勝3敗と結果を残した。後半戦の怪我が無ければ二桁は勝っていただろう。
グーリンの特筆すべき点としては、投法が挙げられる。 普段は力感がない、スリークォーター気味の独特なモーションから投げるが、たまにサイドスローで投げて打者を幻惑させていた。
また、投法だけでなく投げる球も独特だった。とにかく球が遅い。何度かテレビで彼が投げているところを見たことがあるが、130kmを越えるボールを見たことはほとんどなかった。 そんな遅い球ばかり投げる彼の変化球は、カーブとチェンジアップのみ。
この年、ストレートの平均球速が127km、カーブが108km、チェンジアップが110kmだった。 無論、こんな遅い球ばかり投げていたら抑えられるはずもなく、被打率は.314を記録している。コントロールもそこまでいいわけではないので四球も出す。
それなのに、得点圏にランナーを抱えたまま牽制や併殺でいつのまにか、のらりくらりと抑えてしまう投球術が長所だった(ただし、風で変化球が曲がりすぎてしまう千葉マリンスタジアムは苦手だったようだ)。
ちなみに非得点圏では被打率.350だが、得点圏では.215としっかりと抑えている。WHIP1.62で防御率4.24は驚異的な数字だろう。
そんな彼の投球スタイルを見たインターネットの野球ファンからつけられたあだ名は“魔術師”。グーリンのひょろりとした細身の身体とあご髭も“魔術師”のあだ名によく似合っていた。
前年の活躍から翌2005年も活躍が期待されたが、外国人枠の関係で二軍暮らし。二軍でも相変わらず塁上を賑わせていたが、防御率5.89の不安定な投球では一軍に上げてもらえない。結局そのままオフに退団してしまった。
見ていてとても楽しい投手だったが、ファンや首脳陣からしてみたらヒヤヒヤしただろう。もう少し安定感があれば一軍に上げてもらえたかもしれない。
また、彼は変則左腕でありながら左に.383とよく打たれた(右は.282)。これもグーリンらしい面白い記録だったが、そんなところも首脳陣には嫌われたか。
※参考文献 『データスタジアム2005』エンターブレイン 『世界野球選手名鑑2005』白夜書房『プロ野球パーフェクトデータ選手名鑑2004』宝島社